他の病気との関係

急性リウマチや結核が原因の場合も?

いろいろ勉強してみると、ワキガとともに多汗症も併発する方が多いようですね。

クリニックを訪れる方では、衣類が黄ばんでしまうほどの症状をお持ちのワキガの患者さんもいて、同時の多汗症も併発する場合も少なくないとか。

多汗症とは、必要以上にたくさんの汗が出る病気です。

「あせっかき」という一言で片付けられないものです。

真夏の暑い時、運動した時、または食事の時などは体温が上り、それを調節するために人間は汗をかきます。

ですから、汗をかくこと自体は自然で当たり前のことなのですが、必要以上に汗が多いと当人も不快です。

まして、体温の調節が必要のない状況でも、汗がどんどん出てしまうとなると、それは単なる「あせっかき」ではなく多汗症なのです。

多汗症には、体全体のあちらこちらに汗をかく「全身多汗症」と、一部分だけ汗をかく「局所性多汗症」があります。

これら多汗症は、他の病気が要因で発症する場合があります。

全身多汗症ですと、急性リウマチや結核、また、婦人病、更年期障害などが考えられます。

ホルモンバランスの乱れが強いため、多汗症になるケースも多いのです。

局所性多汗症の場合は、主に精神的緊張が原因だといわれています。

極度の緊張がストレスになり、それによって自律神経がバランスを崩すことが原因なのです。

緊張すると交感神経が働き、これが発汗を促進するわけですね。

「バセドウ病」と多汗症との関係

私たちは緊張すると交感神経が働きます。

交感神経によって発汗を促進するわけですが、この交感神経が敏感な方は、たくさん汗をかくようです。

しかし、多汗症は他の病気が原因で発症するケースもあります。

原因のひとつに「甲状腺機能亢進症」という病気があります。

甲状腺機能亢進症は、別名「バセドウ病」と呼ばれています。

アーティストの絢香さんも、バセドウ病を理由に音楽活動を休止していましたが、今は復帰されました。

バセドウ病は1000人に3人が発病するといわれ、20代~30代の女性に、特に多く見られる原因不明の病気です。

女性が発症する確立は男性のおよそ4倍近くだそうです。

甲状腺機能亢進症自体の症状として、下痢気味、動悸や不眠、のぼせ、そして、疲労感などが見られます。

目に見えてわかる症状としては、首の腫れという点がありますので、首の付け根あたりが腫れていないか?、ぜひチェックしてみましょう。

甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンが増加するため、それによって、全身に発汗が起きます。

そうして、多汗症となって現れるのです。

もし、多汗症かなと疑いのある方がいたら、すぐに医師の診断を受けましょう!

多汗症の症状から、本当の病気が見つかるかもしれません。

自律神経失調症が原因の場合

「自律神経失調症」が原因で多汗症になるケースをご紹介しましょう。

「自律神経失調症」は、いまや珍しい病気ではなくなりましたね。

「自律神経」と「汗や体臭」とは兄弟みたいに密接に関係あるのです。

さて、人の体は神経をつかさどる「交感神経」と「副交感神経」があり、この二つが共同して体の働きを調節しています。

この2つが休んだり働いたりして、神経のバランスを取っているのです。

バランスが取れている時は健康でいられるのですが、バランスが崩れるとさまざまな症状を起こします。

交感神経と副交感神経がバランスよく働かなくなると、過剰な緊張状態になり、それが続くこともあります。

やる気が出ない、などの症状も特徴ですね。

このような状態が続くと、自律神経失調症という病気になってしまいます。

では、どうして多汗症の原因になってしまうのでしょう?

全身に分布しているエクリン腺からの発汗をコントロールしているのは「交感神経」です。

人間の臓器で例にあげると、心臓動きは交換神経で速くなり、逆に副交感神経で遅くなりますが、汗腺は、副交感神経ではなく、交感神経だけで調節しています。

自動車の速度をアクセルだけで調節するようなものなのです。

このことが、汗が必要ないときにたくさん出てしまう理由のひとつです。

自律神経失調症の場合、特に副交感神経の働きが弱くなってしまう傾向があり、もともと副交感神経という抑制役がないところに、全身の副交感神経が弱くなるため、汗腺を刺激して汗をかかせてしまいます。

これが、自律神経失調症によって多汗症を発症するメカニズムです。

異汗症(汗疱)について

多汗症には関係が深い「異汗症」という病気について学んでいきましょう。

「異汗症」は、多汗症が原因で発症する病気です。

異汗症の症状としては、多汗症のために足の裏や手の平などに、汗をかきますが、そこの汗腺がふさがっていて発汗できない状態です。

そのような状態になると、皮膚に水ぶくれのように見えるぶつぶつ、透明な小さな水疱が多数現れます。

これを「異汗性湿疹」、または、「汗疱(かんぽう)」と言います。

通常はかゆみはありませんが、炎症が強いと強いかゆみがあることもあります。

悪化の引き金には発汗、自律神経のアンバランス、ストレス、消化器の病気、季節の変化などが上げられます。

この水泡は水虫に似ており、水虫と勘違いしてしまう人も多いようです。

水虫の薬をつけてしまうと、皮膚がさらにダメージを受けてしまうので要注意です。

また、水泡の皮を剥いたり、痒みを我慢できずかきむしってしまうと、肌にダメージを与え、そこから雑菌が入り、逆に水虫になるケースもあります。

季節は初夏のころに多発し、かゆみの症状がある場合は、とても辛い思いをします。

水泡の皮は剥けることがありますが、無理やりに剥くと痛む場合もあります。

この異汗症を防ぐためには、手や足を清潔に保つことが一番大切です。

必ず清潔な水できれいに洗い、乾燥させ、汗で蒸れないようにしておきましょう。

足の場合は、汗を吸いとってくれる素材の靴下もおすすめです。

最初は細かい水ぶくれですが、だんだん吸収されて、2週間前後で、薄い乾いたかわむけになって治ります。

しかし、一度治っても、再発を繰り返すこともあります。

異汗症と思われる症状がある場合は、早めに皮膚科で診察を受けましょう。

これらのように多汗症は、その奥に他の病気が潜んでいることがありますし、逆に、多汗症から他の病気になることもあります。

大量の汗をかく症状を自覚しているなら、軽視せず、早めの受診を心がけましょう。